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大丈夫になりたい

先月末でNHK朝ドラ「あんぱん」は終了しました。その主題歌を歌っていたのが「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」というバンドです。 そのバンドが以前「天気の子」という映画の挿入歌として作った曲が「大丈夫」という歌でした。

 はじめ、この部分だけ見ると「?」と思いました。大丈夫にしたい、大丈夫になりたい、なにが違うのと。しかしよくよく考えてみたら、「大丈夫にしたい」とは言葉をかけて相手に安心させること、「大丈夫になりたい」とは私自身があなたのそばにいて安心させてあげたいと受け止めたのですがいかがでしょうか。

 娘が小さい時に自転車の練習をしていました。後ろの荷台部分を持って一緒に走っていました。だいぶ慣れてきたとき、娘に「手を離すよ、大丈夫だから」と声を掛けますと、「いやだ怖い!」と叫びました。「大丈夫大丈夫」と声を掛けますが「いやだまだ絶対離さないで」というのです。「わかったよ。じゃ手を離さないからね」「うん」というやり取りがありました。娘にとってはたとえ「大丈夫だよ」と言われても不安で不安で仕方なかったのでしょう。しかし私が手を離さないということで、安心して自転車を漕いでいたのでしょう。この瞬間、私が娘の大丈夫になった瞬間だと思います。

 阿弥陀如来という仏さまもどこか遠いお浄土と言われる世界でこの私を見守ってくださっている、また喚んでくださっている仏さまではありません。この私のところに来て「私があなたと一緒にいてるからね。大丈夫だから」と私の「大丈夫」となってくださる仏さまです。その一緒にいてくださるお姿が「南無阿弥陀仏」という声のお姿です。お念仏申しましょう。「南無阿弥陀仏」聞こえましたか?その声こそが阿弥陀さまそのものであり、決して一人ではないこの私の「大丈夫」となって私と人生をご一緒してくださる仏さまです。

この歌を通して改めてそのように味わさせて頂きます。