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この世の縁の尽きるとき…

8月、と聞くと世間では「夏休み」や「お盆」という言葉をよく耳にします。

多くの方がお盆には、故郷に帰って家族と一時の時間をお過ごしになるのではないでしょうか。

この言葉は「浄土真宗の救いのよろこび」のだ4段にあたるところです。

「お盆には先祖は帰ってくるんですか?」と聞かれることもあります。浄土真宗のみ教えを聞く者にとって、あらゆる先祖が帰ってくるかどうかについては返答に困ります。ただ阿弥陀如来のおはたらきを頂き、浄土に参って仏となった方はお盆に限らず常々帰ってきてらっしゃいますとお答えいたします。

「安楽浄土にいたるひと

 五濁悪世にかえりては

 釈迦牟尼仏のごとくにて

 利益衆生はきわもなし」『浄土和讃』

と親鸞様はご和讃にお示し下さっています。

阿弥陀さまのご本願のはたらきによって、お浄土に往生し仏さまと成らせていただいたものは、大いなる慈悲のこころをおこし、再びこの迷いの世界に還(かえ)り来て、迷いのなかで苦しむ一切の生きとし生けるものを自在に救うはたらきをしていくとあります。お盆だから還るのではなく、いつもこの私を浄土に誘うために還ってきてくださっています。 お盆だから特別に還るのではなく、いつもこの私を浄土に誘うために還ってきてくださっています。反対にお盆にならないと手を合わせないこの私は、「出遇って欲しい」と願われている〝いのち〟であることをこの度のお盆にて聞いてまいりましょう。

 普段なかなか仏法のご縁をもたないこの私であっても、仏さまは常にこの私を願ってくださっています。

南無阿弥陀仏