車に乗っている時、若い時によく聞いたＴＵＢＥ（チューブ）というバンドの曲を久しぶりに聴きました。「泣いちゃえば」という曲で「大切なのは認める勇気」という歌詞が流れ、少し心に刺さりました。
ちょうど大阪拘置所にて釈前教育という講話を終えた後でした。釈前教育とは、仮釈放が認められた収容者に対して講話をすることです。
私たちも今までの人生様々なことがありました。時には楽しく嬉しく、その反面悲しくて悔しくて涙したこともあったのではないでしょうか。その悔し涙をバネにナニクソと頑張ったこともあったことでしょう。
しかし、拘置所に収容されているのは言うまでもなく犯罪を犯した結果です。犯罪を犯す原因や理由は様々と思います。時には負けることを認めることができずに人を傷つけたこともあったのではなかったか、また相手の強さを認めることができずに無理をしてきたこともあったのではなかったか。それはなにも犯罪に関わらず私たちの人生においてもあったのではないでしょうか。
悔しさをバネに頑張ることは大切なことと思います。しかしその思いが強すぎるとどこかに無理が生じ、思ってもみなかった結果になることもあるのではないでしょうか。
「相手を認める勇気」「自分の弱さを認める勇気」もう少しそんな勇気があれば、違う結果になったこともあったかもしれません。
この歌はこんな風に続いていきます。「誰かのことうらんでみてもしょうがない この際だ 拍手贈ちゃおう」と。負けたことで誰かをうらんでみても仕方のないこと。自分に勝った相手を祝福することで、心が楽になることもあるんじゃないでしょうか。片意地はらずに無理をせず、認める勇気を持てたなら、もっと人生違った見え方するんじゃないのかな、この歌を聞きながらふと思ったことでした。
たとえ、どんな結果になったとしても阿弥陀さまは「大丈夫大丈夫、南無阿弥陀仏」と喚びかけてくださっていますよ。