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なんのために生まれて…

現在、NHKの朝の連ドラで「あんぱん」が放送されています。アンパンマンの作者やなせたかしさんをモデルとしたドラマで、劇中によくアンパンマンを連想されるセリフが出てきます。今月の言葉も若いやなせたかしさん(劇中は柳井嵩)に叔父の柳井寛さんが夢を持つことの大切さを説くときに話されたセリフです。この言葉はアンパンマンの主題歌にも使われています。

 原作のやなせたかしさんは戦争を体験し、あらためてこの問いに向き合われたそうです。

 先日お寺での勉強会にて講師の蕚慶典先生は「その問いが生まれないとダメだ」と言われました。

 問いが生まれないと、答えも見つからない。すぐに見つかることではないかもしれないけれど、その問いを通して見えてくる景色もあるのではないでしょうか。

 自分自身への問いとしたら、今現在どう答えますか?私でしたら「お寺を守るため、子どもを育てるため」などなど、人それぞれに今の答えはあるかもしれません。しかし、それが「人は何のために生まれて何をして生きるのか」と問われると、答えは様々出てくるでしょう。「楽しむため。幸せになるため。この人に出会うため」半面「そんな意味などない」と思われる方もいてるでしょう。この問いは年齢やその折々に変化していきます。子どものために、と思っていても子どもが成長したらその思いは変わるでしょうし、お金や名誉のためとしても、その価値観は年齢や立場によって変わっていくでしょう。根本的に私たちがなんのために生まれ、なにをして生きる答えは限られてくるのではないでしょうか。詩人のあいだみつをさんには「おまえさんな いま一体何が一番欲しい あれもこれもじゃだめだよいのちがけでほしいものを ただ一ツに的をしぼって言ってみな」という詩があります。皆さんにとってなにが欲しいですか?究極の答え、その答えを仏法に求めてみてはいかがでしょうか。