伝道ポスター

伝道ポスター · 2月 27日, 2026年
先日大阪教区の同朋研修のフィールドワークで大阪城公園に参りました。そこでは昭和20年の大阪大空襲の爪跡が今でも生々しく残っています。「暁をいだいて闇にゐる蕾」これは川柳作家、鶴彬氏の言葉です。 闇の中にあっても、蕾はその内に暁を抱いている。やがて来る光を信じ、まだ見ぬ朝を胸に秘めている、そのような情景が浮かびます。しかし鶴彬氏は、戦時下にあって自由な言葉を奪われ、若くして命を終えられました。この一句の背景には、戦争という深い闇があります。戦争は、人のいのちを奪うだけではありません。人の夢を奪い、未来を奪い、語るべき言葉さえも封じてしまいます。蕾であった多くの若者たちが、花開くことなく散っていきました。壮年から老年の皆さまの中には、戦中戦後の混乱を体験された方もおられるでしょう。空襲の音、食糧難の不安、家族を失った悲しみ。思い出したくない記憶もあるかもしれません。私たちは、あの闇を知っています。だからこそ、戦争の愚かさを語り継ぐ責任があります。浄土真宗のみ教えに立てば、すべてのいのちは阿弥陀如来の大悲に抱かれています。敵も味方もなく、尊いいのちです。にもかかわらず、人は「正義」の名のもとに殺し合ってきました。そこに人間の迷いの深さがあります。戦争とは、怒りと恐れが増幅された結果です。自分を守るために相手を傷つける。しかしその連鎖は、さらに大きな悲しみを生みます。闇の中にあっても、蕾は暁を抱いている。それは、人間の内にある良心であり、平和を願う心でしょう。私たち一人ひとりが、怒りに流されず、違いを認め合い、対話を重ねるとき、小さな暁が芽生えます。阿弥陀さまの光は、すでに私たちを照らしています。闇が深いからこそ、光の尊さが知らされます。戦争の悲しみを忘れず、二度と同じ闇を繰り返さないと誓うこと。それが、闇にゐる蕾を守る道ではないでしょうか。やがて咲く花のために。次の世代の暁のために。 未だに戦争が終わらない世界、私たちは、闇を知る者として、光を選び続けたいものです。

伝道ポスター · 1月 25日, 2026年
以前五木寛之さんの「下山の思想」という本を読みました。その当時はそこまで思わなかったのですが、私自身の老いについて真剣に考えるようになってきました。...

伝道ポスター · 12月 31日, 2025年
新しい年を迎えると、私たちは自然と気持ちを新たにし、「今年こそは」「少しはいい自分になりたい」と思います。しかし現実には、思うように進めず、人に理解されないまま、心に重たいものを抱えて日々を過ごしている方も多いのではないでしょうか。努力や誠実さだけではどうにもならないこと、言葉にできない事情や痛みを抱えて生きている現実があります。...

伝道ポスター · 12月 01日, 2025年
今月の言葉は歌手のコブクロさんの「栄光の架橋」という歌から考えました。この歌はアテネオリンピックのテーマで有名ですが、阪神タイガースの故横田慎太郎さんの登場曲としても阪神ファンの心に残っています。横田さんは2013年のドラフトで阪神に指名され、活躍が期待されましたが、2017年脳腫瘍を発祥し、一時は寛解されましたが再発し、2022年逝去されました。23年の阪神優勝決定時、岩崎投手がこの曲で登場し、胴上げ時には横田さんのユニフォームを手にしていたことを覚えています。  どんなに心が沈み、思いどおりに歩けない日があっても、阿弥陀さまは私たちを見捨てられることはありません。浄土真宗では、人を「つまずきながら生きる存在」として正直に見つめます。欲や怒りに流され、後悔を抱え、思いとは裏腹の行いを重ねてしまう、そうした弱さを抱えた凡夫こそが私たちの姿です。自分の力では清らかになれず、正しくあろうと思っても思うようにいかない。その現実に気づくほど、ますます自分に失望し、歩む力をなくすことさえあります。しかし、そのような「どうしようもない私」をこそ救いたいと願われたのが、阿弥陀さまの本願です。善き者だから救われるのではなく、弱さを抱え、つまずくほかない私をそのまま抱きとり、決して見捨てない、それが「摂取不捨」のはたらきです。私たちが気づけなくても、力が出なくても、阿弥陀さまの光明はすでにこの身を照らし、包み続けています。立ち上がれない日も、涙が止まらない夜も、その光から漏れることはありません。つまずきを恥じるのではなく、つまずく身でありながらも救いの中に生かされていることを味わうとき、歩みはゆっくりでも、また一歩を踏み出す力がいただけます。「見捨てられないいのち」として、今日も私たちは阿弥陀さまの願いの中に抱かれているのです。まもなく新たな年を迎えます。南无阿弥陀仏、阿弥陀さまとご一緒に迎えましょう。今年もお世話になりました。

伝道ポスター · 10月 30日, 2025年
 子どもの頃に「嘘をつくと地獄に落ちて閻魔様に舌を抜かれるよ」というような話を聞いたことはないでしょうか。嘘をついた夜にその言葉が頭から離れなかった、幼い時にそんなこともありました。...

伝道ポスター · 9月 30日, 2025年
先月末でNHK朝ドラ「あんぱん」は終了しました。その主題歌を歌っていたのが「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」というバンドです。 そのバンドが以前「天気の子」という映画の挿入歌として作った曲が「大丈夫」という歌でした。...

伝道ポスター · 8月 28日, 2025年
いよいよ「あんぱん」も今月末で終了となります。作者のやなせたかしさんの様々な言葉が印象的なドラマでした。そんな中で、終戦後にのちに奥様になるのぶちゃんに語った言葉が今月の言葉です。...

伝道ポスター · 7月 27日, 2025年
8月、と聞くと世間では「夏休み」や「お盆」という言葉をよく耳にします。 多くの方がお盆には、故郷に帰って家族と一時の時間をお過ごしになるのではないでしょうか。 この言葉は「浄土真宗の救いのよろこび」のだ4段にあたるところです。...

伝道ポスター · 6月 30日, 2025年
車に乗っている時、若い時によく聞いたTUBE(チューブ)というバンドの曲を久しぶりに聴きました。「泣いちゃえば」という曲で「大切なのは認める勇気」という歌詞が流れ、少し心に刺さりました。  ちょうど大阪拘置所にて釈前教育という講話を終えた後でした。釈前教育とは、仮釈放が認められた収容者に対して講話をすることです。...

伝道ポスター · 5月 29日, 2025年
この言葉は、木村世雄氏の「こんなこと書いてある」より引用しました。  ここ数年、本屋の店頭や新聞の書籍こうこくなどから世相を見ていると「心理学」や「上手な生き方」を指南するもの、或いは宗教界から出版されるものであっても、仏や神そのものの教えを説くことよりも、人はいかに生きるべきか、といった主題の作品を多く発表されています。...

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